NPO法人健康と温泉フォーラムは医療、環境、施設等、温泉保養地に関わるあらゆる分野における専門家を中心とした団体です。
名湯百選 名湯百選

湯の児温泉 ゆのこおんせん

湯の児=神経衰弱慢性関節リウマチ 痛風慢性胃カタル 胃酸過多など
湯の鶴=慢性関節リウマチ高血圧症 動脈硬化症糖尿病

<所在地>熊本県水俣市湯の児
<交通>JR鹿児島本線水俣駅からバス25分
<泉質>含食塩重曹泉(湯の児) 単純硫化水素(湯の鶴)

温泉療法医がすすめる温泉 岡川正臣
(医療法人岡川病院理事長 院長/外科/医学博士)
地域医療特に離島の無医地区に献身的努力を払っている。

「負けてたまるか」健康リゾ−ト地にまっしぐらの湯の児
鶴は千年、亀は万年と言われ亀は昔から健康長寿の縁起のいい代名詞になっている。何があっても、慌てず、あせらず、じっとガマンしているその仕草。したたかな根性の持ち主である。その亀にあやかって、水俣市は"亀の里づくり"の宣言をした。水俣病は日本はおろか世界にその名が知れた。長くてつらい悲しい出来事だった。それだけに健康に対する思い入れが人一倍強い。   市議会も「健康こそ、市民が最も願っていること」と、全会一致でGO!の採決をした。目の前に広がる不知火海は鏡のように今日も静かである。名物、太刀魚釣りのシ−ズンが始まり、グル−プや家族連れで一杯の釣り船から「釣れた、また釣れた」と、歓声があがっていた。船頭さんが道具やエサを準備して釣り方を教えてくれ、5尾以上釣れると"初段"の免許状が贈られるのも面白い。

カメは噛めで甲羅に刻む健康長寿
亀の里構想は、見晴らしのよい海岸台地の一角にある、湯の児温泉の陳情が発端で、隣の鶴の飛来地、出水市と県境を越えて手を組み、出来ることから何でもやろう・・・・・・と、地域おこしに意欲的な意見がポンポン飛び出している。湯の児が海から湧き出る温泉、だからいわば子供ということで名付けられたものらしい。親亀がこけたら、子亀もこける・・・・・・。イヤッというほど思い知らされました、という。亀の里づくりには多くの知恵者を集めているが、やはりいた。黒子に徹し、専門的立場から惜しみない応援を続けている人が。少し離れた八千代市に本院を持ち湯の児に分院診療所を設けて地域医療に励む、岡川正臣先生がその人だった。写真の取材で、あちこち案内してくれたタクシ−の運転手さん。何も言わないのに「あの赤い屋根が岡川先生の病院です。人望があり、人のためには身体を張っても尽くしてくれる人、こういう人を偉い人だと、私は思っています。先生は本当に偉い人です・・・・・・」と。  

専用のチャ−タ−船で週2日天草の離島の無医地区の人たちの健康を守り続けている。お金なんかどうでもいい、早く良くなって働けばお金は稼げる。しかし命は一つだけじゃ、無理しちゃいかんぞ・・・・・・。シケの日、急患ともなれば命がけで船を出す。島の人たちは先生を生き神様と呼ぶ。話を聞いてか、ときには遠く沖縄から往診を頼まれたりするという。


太刀魚釣りで免状、甘夏風呂でビタミンC
湯の児温泉は、大海亀が浜辺で湯あみをしていたことから発見されたとも言われ、別名亀の湯という。水俣には昔から亀との縁が深く総鎮守の浜八幡宮を町の人は亀八幡と呼び、隣接する武道館にも大きな銭亀石とカメの池の見事な庭園が作られている。楽しみながらの健康作りが温泉の人たちの合言葉で、お風呂一つにもそれぞれ趣向を凝らしている。バナナとリンゴの他は何でもというフル−ツの里で、ことに甘夏みかんは質量共に日本一の産地。その甘夏をどっさり湯槽に浮かした"甘夏風呂"は人気のマト。含食塩重曹泉の温泉は湯ざめせず、ポカポカ温まった身体は自然と目の前に   浮かぶ甘夏に手が「ワ−、おいしい。」食べた残りの皮で肌をなでるとつるつるになり、ご婦人たちに大うけしている。湯の児は海だが、水俣にはあと一つ山側に"湯の鶴"温泉がある。泉質は単純硫化水素泉で、慢性関節リウマチ、神経痛、動脈硬化、糖尿病などに効能があることから長期滞在の湯治旅館が多く、自炊なら一泊2,000円足らずという安い料金。長年働きづめできた年配者好みの静かなたたずまいである。日本で最初に作られた全天候型ゲ−トボ−ル場や、家族ピクニックの運動公園、市民保健センタ−があり昔は粉などをひいていた大きな水車が、ゆっくりのんびり回っていた。
 
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