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増富温泉 ますとみおんせん

慢性関節リウマチ 筋肉痛 腰痛 神経痛 神経炎 通風 神経マヒ 慢性皮膚病 婦人科疾患

<所在地>山梨県北巨摩郡須玉町増富
<交通>JR中央本線韮崎駅からバス1時間
<泉質>含放射能硼酸炭酸食塩泉

温泉療法医がすすめる温泉 荻野晃一
(石和温泉病院副院長/内科 リハビリテ−ション)

風林火山の信玄が金山さがしで見つけたラジウム温泉
戦に明け暮れた戦国時代、甲斐の武将武田信玄は、ご存知"風林火山"を旗印に猛威をふるった。甲州金山という軍資金にこと欠かない宝の山の支えがあったからで、その金鉱探しで見つけたと言われているのが増富温泉。自らも戦の疲れを癒し、また傷ついた兵士をいたわって療養につとめさせたことから下部と並ぶ"信玄の隠し湯"として知られている。   日本有数のラジウム泉として脚光を浴びたのは、大正に入ってからで以来人気が集まった。秩父多摩国立公園の景勝地にあって、健全な体力づくりの国民保養温泉地としての地位を固めているが、さらに専門のお医者さんがいるニュ−湯治場、理想的な健康ランドを目指している。

知ってほしい効果的な入浴法
推薦者で温泉療法医の荻野先生は「県内の温泉で東の横綱が下部〈名湯 IIIで紹介〉」なら増富は西の横綱です。ラジウム含有量は1リットル中1万2,300マッヘという驚異的数値が記録されて、世界的なものと騒がれた。以来多くの人達が押しかけ、増富ラジウム温泉の研究で博士になった人が何人もいる。ラジウム泉は、いわゆる放射能泉だが、放射能といっても心配はない。湧出後空気中に散ってしまう。吸飲が最も効果的とされ、湯が低目だからゆっくりじっくりの入浴が上手な入り方である。ただラジウム泉は湯疲れ、湯あたりを起こしやすい。   これも効き目の現われだが、食欲不振や下痢など不快な思いをするのでいくら温泉好きでも1日目は1回、その後2回、慣れても3回止まりと教えてくれた。されに先生は、一般的なことだがと前置きして「温泉地に来たという解放感から、お酒を飲んで日頃のウサ晴らしも結構だが、ほどほどということが大切。量にもよるが酒、ビ−ルなど飲むと一種の脱水状態になる。風呂も同じ脱水状態になるので泥酔しての入浴は厳禁ということになる。ことに高血圧の人は、入浴で一時血圧は下がるが、このあと急に上がるので要注意だ」と、入浴心得を・・・・・・。

白樺林と息をのむミズガキ山
増富は遊興地ではありません、と断固赤堤灯を排してきたことがようやくみんなに解ってもらえる時代が来たようだ・・・・・・と、温泉地の人達はひそかな喜びをかくさない。「山の方に行かれましたか、是非見て来て下さい」すすめられて迂回路にもなっている林道を走った。増富の"奥入瀬渓流"はまた野鳥の天国で遊歩道になっている。そして地元の人が東洋一ですよ・・・・・・と自慢の白樺林が続く。途切れたところで荒々しい岩石の山肌をしたミズガキ山が現われた。これはスゴイ・・・・・・立ち止まることしばしである。夏はキャンプ場や避暑地となる山荘やテニスコ−ト。のどかな田園風景、林の入口には豊作と繁栄を祈願した道祖神が、   神様も冬は寒かろう、雨にぬれたら可愛相だと石の祠に納められていた。素朴で心優しい人達である。その名もラジウム街道から、南アルプス連山が、これまた素晴らしい眺めだった。増富を下った町の真ん中に"みそなめ地蔵"がある。信玄が信濃攻略の折、見つけて引いて来たが突然動かなくなりこの地に安置した。海のない甲斐の国では塩は貴重品、塩が手に入ると先ず味噌を作った。その味噌を、お地蔵さんの自分で難儀の患部に塗って平癒を祈願した。お地蔵さんは全身味噌だらけ、だが霊験あらたかで町の人達の大きな心の寄りどころになっている。
 
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