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ギリシャの温泉地紹介〔1〕

エディプソス



   
















 エディプソスはギリシャ第2の大きさをもつエビア島の北西部の町である。アテネから150qのアルキサから、フェリーで45分ほど。
 エディプソスは、背後を緑深い山々に囲まれ、波静かなエビア湾をのぞむ小さな岬を中心として市街地が形成されている。町の人口は3,800人であるが、3,700ベッドの宿泊施設がある。レジャーサービス施設もギリシャで最も整っており、年間の訪問客は40,000人、と最も多い。エディプソスは古代より知られ、アリストテレス、プルターク、ストラボンはその温泉の効能を記述し、ローマ皇帝コンスタンティヌスやテシオドスはこの地で入浴したといわれる。
 源泉は3つ。75℃以上の高温の食塩泉、毎分1,000リットルの湧出量を誇る。海岸の台地から温泉が滝となって海に流れ込む光景は雄大である。エディプソスの温泉はリュウマチ、関節炎、婦人病などの治療に用いられている。
〈水治療法・物理療法センター〉
 エディプソスの町の中央に源泉地域があり、地表から温泉が泡状となって噴出し、小川となって流れている。源泉地域に隣接した2haの地区に、水治療法・物理療法センターがある。当センターは、床面積6,000平方メートルの大規模な施設で、1日2,000人の治療客を予定し計画されたもの。1984年に開業し今日に至っている。
 センターは管理棟、治療棟、温泉管理棟及び屋外プールから構成されている。管理棟はエントランスホール、喫茶コーナー、医師のステーション、及び会議室、事務室などがある。治療棟は渡り廊下で管理棟と連絡されている。長さ100m、奥行14mの4階建ての建物で、中央にホール、左右に各種療法室がある。水治療法諸施設は84の浴室、2つの屋内プール、手・足などの部分浴施設、水中マッサージなど。物理療法諸施設は36のマッサージ室、電気療法、吸入療法、サウナ、アスレチックなどの諸室からなる。温泉管理棟は75度の高温泉を冷却し、治療に適温の温泉を供給するための施設で、余熱はセンターの暖房に用いている。屋外温泉プールは、25m×15m、深さ1.2〜1.6mで、温泉と海水を混ぜ、32度の温度で利用する。
 当センターは施設内容、設備、治療機器などすべての面で、ギリシャの温泉施設の最先端を行くものであるとともに、医師5人、その他スタッフ60人と治療体制も充実している。
 当センターは5月から10月までの開業で、年間35,000人の利用者があり、治療総数は、550,OOO回にのぼる(利用者は平均して15〜21回の治療を受ける)。夏のバカンスシーズンには1日4,000人もの利用客があり、当センターが最も込み合う季節である。利用者の85%は高齢者であるが、ウェイトコントロールを目的とした若い女性も増えつつある。また、利用者の5%は、温泉国ドイツからの保養客である。

カメナ・ブーラ



   



 アテネから北西175km、エビア湾に面して、カメナ・ブーラがある。この保養地は、エディプソスに次ぐ第2の温泉地で、Bクラス以上のホテルが18軒、その他ペンション、アパート等もあり宿泊施設は充実している。町は美しい浜辺を臨み、夏のシーズンには、多数の海水浴客でにぎわう。



 源泉は町の背後の水からパイプで引湯された含ラドン食塩泉、含硫黄食塩泉の2つで35度〜40度である。28haの広大なガリーニホテルの敷地内に新・旧の2つの温泉施設があり、町の保養客に開放されている。治療法は温泉浴、温水プールでの運動浴及びマッサージなど。リウマチ、関節炎等のの治療が行なわれている。夏期シーズンには3人の医師が常駐し、療法指導を行っている。

テルモ・ピレー



   



 カメナ・ブーラから西方36kmほどに、ギリシャとペルシャとの古戦場テルモ・ピレーがある。テルモ・ピレーはその名の通り、温泉の湧出する地である。古代ギリシャ時代にはヘラクレスがこの泉を使い力を得たといわれ、泉の入口にはヘラクレスの祭壇がまつられていたとヘロドトスは述べている。
 カリドロモ山のふもとから温泉が湧き、小川となって古戦場を流れている。テルモ・ピレーには今世紀初頭の浴場とホテルがあるが、改修中で使われていない。GNTO(ギリシャ政府観光局)は源泉近くに、水治療法センターと屋外温泉プールの整備を予定している。
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